いくので、この水は絞り出されてしまいます。どれくらいの深さでどれくらいの温度の時に水が出てくるかシミュレーションすると、冷たいプレート、九州をはじめ世界中のほとんどがそうですけれど、ここでは深さ100㎞~150㎞のところで数百℃以上の温度の水が絞り出されていきます。水には面白い性質があり、ある程度の温度になるとものを融かしやすくするんです。それで、水が絞り出されるともともと融けない物質が融けるようになるので、マグマができて、火山ができるんですね(図3)。一方で有馬の下はプレートが熱いので、60㎞くらいの浅いところで高温の水が絞り出されてしまいます。もっと深いところでは水がほとんど出なくなり、当然マグマも火山もできません。また、浅いところで絞り出された水は、何かの拍子に地表へ上がっていき温泉になります(図4)。九州地方では、プレート水は100~150kmで水が絞り出されるとともに融けない物質が融けてマグマを生成。大量のマグマが多数の火山を生む図3 「冷たいプレートの沈み込み」図4 「熱いプレートの沈み込み」中国・近畿地方では、熱いプレートが沈み込むと、浅い所(60km)で水が吐き出され、プレート直結温泉となるためマグマをつくる水が減り、そのため火山が少ない。プレート直結により高温高濃度塩水となり地上へ上昇する過程で炭酸ガスを放出、これが金泉となる。一方、炭酸ガスと地下水の反応により生み出されるのが銀泉。有馬温泉の最大の特徴は、世界でも稀有なプレート直結温泉83
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