KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2021年11月号
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るのです。この沈み込みの向きが変わったのは300万年前であることが最近わかってきて、その年代に基づいて補正するとちょうど火山分布の境目になります(図2)。東側の新しいプレートは、ちょうどいま近畿地方の真下ぐらいに軸があります。なぜここが新しいのかというと、大陸移動と同じようなことが起きているからです。伊豆海嶺と九州パラオ海嶺はもともと一つだったんですが、3000~2500万年前から開きだして、伊豆諸島がだんだん東へ移動していきました。ですからこの開いている真ん中が一番新しくて1500万年、世界で一番新しいプレートの一つです。プレートが新しい、つまり若いということは、熱いということです。プレート直結ゆえの泉質プレートはもともと水を含んでいますが、地下へ入っていくとまわりからギュッと押されるし温度も上がって1400万年前、誕生直後の熱いプレートの沈み込みによって、プレートが融けて「異常マグマ活動」が勃発。300万年前に大方向転換して現在の位置に九州パラオ海嶺(KPR)は移動。九州全体の下には冷たいプレートが沈み込んでいる。一方で中国・近畿地方の下には熱いプレートが沈み込む★1400万年前の誕生直後の熱いフィリピン海プレートの沈み込みによる異常マグマ活動の痕跡▲活火山図282

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