KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2021年11月号
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に、翌年の1月17日に宮城県名取市に炊き出しに遠征しました。以来毎回、収益の一部を被災地復興支援に充ててもらっています。仙台の「桂雀花」さんや熊本の「山水亭」さんなど、被災地で出会ったお店のサミット出店など、同志も増えていきました。曹 サミットをきっかけに絆が生まれ、被災地で逆に勇気づけられたり、支援の勉強をさせてもらったり、活動から得たものは大きいですね。サミットは市や県の助成金には一切頼らず、主催店が自費で開催しています。助成金をもらって被災地支援というのも矛盾しますから。僕は商売人として行うイベントは自力のお金で行うことが理想と考えていて、それは三人の共通認識です。サミットの目的は目先の売上ではなく、お客さんに喜んでもらい、豚まんを通じて神戸から日本を元気にすること。10回続けてきてブレはありませんし、商売人としてのプライドもあります。…10年を振り返って、記憶に残る思い出は?葉 毎年、発起人3店舗各々が「オリジナル創作豚まん」を考案します。うちは1回目に「我々中国人の家庭料理を入れよう」と父の好物の牛のアキレス腱を具材に選んだものの、汁で手がベタベタしてしまうことに悪戦苦闘。思い描く味にたどりつけないんです。試行錯誤してようやく完成しました。サミットが終了すると、もう来年について悩み始めます。テレビの料理番組で知った珍しい食材を取り寄せるなど、色々工夫してきましたね。曹 創作豚まんは話題性も抜群です。うちは神戸の一流シェフとのコラボ豚まんで、とにかく大変な労力を要しますから、真剣に取り組んでもらえるシェフの人柄を見込んでお願いします。『ルセット』の依田さんや『コム・シノワ』の荘司さん、『伊藤グリル』の伊藤さん、『近藤亭きっしゅや』の近藤さんほか、フレンチやイタリアン、洋食店などと組んで国際都市神戸ならではの豚まんを販売し、神戸の食文化にも貢献できたと自負しています。安藤 初回から私の母校・甲南大学の西村順二ゼミにも参加してもらっています。「豚饅娘コンテスト」など、学生さんからユニークな案をもらって、おじさん達は(笑)、取りまとめに苦労しながら楽しい企画を実現してきました。…第10回の見どころは?葉 南京町広場でのオリジナル曹 英生さん人や食材と未知との遭遇その裏での苦労も楽しい挑戦の10回目開催皆の男気もみてほしい66

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