KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2021年11月号
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第一回KOBE豚饅サミット(以下サミット)開催の経緯から。発案者の安藤さんがこのイベントを思いつかれたのは?安藤 2010年の年末、とある経済予測を目にしたんです。翌年から大阪の百貨店の改装や増床が相次ぎ、大阪と神戸で買物をしていた阪神間のお客様が大阪に流れてしまうという、神戸にとって先行きの暗い見通しでした。同じ頃、大阪から、終電で三宮へ帰る機会がありました。金曜深夜、賑わっていた大阪と打って変わって神戸は閑散としている。何とかしなければと思いました。自分独りでできることは限られているが、豚まん店同士が協力しあえば、神戸の活気を取り戻す一助となれるかもと、まずは豚まん発祥店、老祥記の曹社長に相談させてもらうことに。ただ商売敵ですし、断られても仕方がないと緊張はしていましたね。曹 安藤常務から「元気のない神戸を神戸発祥の豚饅で活気づける」という案を聞き、面白いと思いました。すぐに葉社長に声をかけ、3人で集まりました。葉 私も二つ返事で承諾しました。それまで私どもは自分の店でしか商売をしてこなかったこともあり、他店と一緒にするイベントに魅力を感じたからです。ライバル店云々は全く気にしなかったですね。それぞれが老舗で何代にも渡り家族ぐるみで通い続けてくださるお客様も確立していましたし、他店のことは考えずにやってきていますからね。曹 僕も商売敵という意識は皆無、豚まんで何かやりたいと考えていたし、よくぞ提案してくれた!と喜びました。春節祭やジャズピクニックなど、南京町の色々なイベントで培ってきたノウハウを、自分が携わる“豚まん”の土俵で発揮できる良い機会になる。そうして豚の鼻の形に似た“11”が並ぶ「2011年11月11日」に第一回目を開催することが決まりました。「日本の元気を神戸から!」を掲げられています。安藤 11月に向けて計画を進めるなか、3月11日に東日本大震災が発生したんです。それで事業で得た収益を被災地に届けたいという話が湧き上がってきました。阪神・淡路大震災から16年、未曾有の災害からここまで元気になれたのはすごいことなのだから、『日本の元気を神戸から!』というコンセプトにしようと。第一回が終了後、その売上を原資商売敵の豚まん店が一堂に集まる!?キーコンセプトは日本の元気を神戸から記念すべき第1回KOBE豚饅サミット2011。雨にも関わらず大盛況安藤孝志さん65

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