KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2021年11月号
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「キミと、もういっぺん会いたいなぁ」初めて会いに行った日に師匠がくれた言葉ですね。師匠の出演するラジオ番組を見学して、帰りにタクシーに乗せて頂いて。司馬遼太郎さんの本の話をしてね、どこの誰かもわからない私に、師匠は優しかったです。心が満たされる気がしました。先のことが見えなかった時期に「会いたいなぁ」はね、支えになりました。なのに入門して2年後、辞めたい、と…。師匠が返してくれたのは、「俺は、お前を辞めさすつもりはない」ありがたいと思いました。同時に、今辞めることをこの人は許してくれない。中途半端はあかん。全うしなければいけない。厳しさも受け取りました。そして、おってええんやな。愛されてるんだなと思いました。愛されてる、大事にされてる。そんな人は辞めないし、がんばる、ということだと思うんです。「師弟は三世」という言葉があるんですよ。私は来世もまた師匠の弟子でいたいです。著者 笑福亭銀瓶■定価 1,800円+税 ■発行 西日本出版社お知らせ喜楽館 【昼席14:00開演】に出演します!11月15日、17日、18日、19日、21日、22日詳しくは、喜楽館HPよりご確認ください。師匠・笑福亭鶴瓶の言葉にしがみつき応え続ける弟子・笑福亭銀瓶の生き方KOBECCOおすすめの一冊わたせせいぞうギャラリー(武庫之荘)にて笑福亭銀瓶さんの自叙伝「師弟」。師匠・笑福亭鶴瓶さんからもらった言葉のこと、お聞きしました。110

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