KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2021年11月号
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harmonyVol.45はーもにぃ公益社団法人家庭養護促進協会事務局長橋本 明いのちの誕生はサムシング・グレート愛の手運動は親に育てられない子どもたちに、里親・養親を求める運動です。募金箱の設置にご協力いただける方は協会にご連絡ください。公益社団法人 家庭養護促進協会 神戸事務所神戸市中央区橘通3-4-1 神戸市総合福祉センター2FTEL.078-341-5046 https://ainote-kobe.orgE-MAIL:ainote@kjd.biglobe.ne.jp科学技術が発達し、人間が月へ行けるような時代になった現代においても、私たちは未だに細胞1個も人工的に作り出すことは出来ないでいます。「ヒトの遺伝子暗号は約30億の科学の文字からなっています。30億の文字は拡大すると、1ページ1千字、千ページの本が3千冊になります。それだけの情報を私たちは両親から1セットもらっている。その30億の情報が細胞中の核の1グラムの2千億分の1のものすごく小さな空間に書き込まれ、それが間違いなく働いている。これは人間を超えた不思議な力、神様、仏様の世界なんです。誰が暗号を書いたのか。目に見える自然の奥に、目に見えない不思議な働きをする自然があるとしか思えません。これを私はサムシング・グレート、と呼んでいます。」これは科学者であり、筑波大学名誉教授の村上和雄氏の想いです。村上氏は「人間は単に偶然の積み重ねで生まれるわけはありません。細胞1個偶然に生まれる確率を計算すると、1億円の宝くじを買って100万回以上連続当選するくらいの確率でないと細胞1個偶然に生まれない。それを私たちは60兆個も持っている」と続け、人間の誕生が、そしていのちというものがどんなに不思議で、理屈なしで尊いものであるかを訴え続けてこられました。私は神戸で村上氏の講演を聴き、早速本を読みいのちの不思議さについて思いを巡らせてきましたが、いくら考えても生命誕生の謎は深まるばかりです。「大自然、サムシング・グレートが38億年もかけて丹精込めて作った苦労の結晶であり、宇宙生命で言うと、137億年かけて宇宙が作り上げた最高傑作が赤ちゃんなのです。そういう意味でいのちは尊いのです。この世に生まれてきたこと自体、途方もない奇跡的な出来事なのです」と語り、生命尊重センターの活動に関わり、生まれてくるいのちの大切さを訴えてきた村上氏はこの4月に亡くなりました。生命を動かしている膨大な遺伝子の暗号は一体誰が作ったのか?遺伝子解読が終わってもこの謎はおそらく永遠に解けないものでしょう。「サムシング・グレイト」(大いなる宇宙の何か)の働きでしょうから。 (文章は「生命尊重ニュース」6月号から一部引用)108

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