KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2021年11月号
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きがあるなど、他の原因が見つかった場合は、耳鼻科や整形外科、手術をする脳神経外科など適切な治療ができる診療科をご紹介します。―「脳神経」と聞くと難しく考えてしまいますが、不調の原因を突き止めてもらえる頼りになる内科の先生なのですね。私たちは内科医ですから、さまざまな病気の症状を熟知しているのが強みです。めまいやふらつきなどはもちろん、物忘れがひどくなってきた、歩くときに足が前に出にくくなってきたなど、気になることがあれば受診をお勧めします。開業しておられる先生はまだ少ないのですが、中規模から大規模病院医には診療科として開設されています。かかりつけの先生から紹介いただいて受診されるといいと思います。松本先生にしつもんQ.リフレッシュ方法は?A.一つは大学時代からやっている水泳です。もう一つは、私は奈良の田舎育ちで自然の中にいるのが好きなので、家族とキャンプに行くことです。コロナ禍でどちらも今は難しいですが、収束後にはまた楽しみたいと思っています。Q.脳神経の専門医になって良かった?A.はい。脳にはまだまだ分からないことがたくさんあります。例えば、こんなふうに会話をしていますが、脳がどう働いて理解できているのかは解明されていません。変性疾患のように難病と考えられてきた病気の原因が解明されつつもあり、近い将来、治療できる時代になってくるでしょう。「21世紀は脳の時代」ともいわれています。すごくやりがいを感じています。Q.若い学生さんたちに伝えたいことは?A.お話とハンマーひとつで、ほとんどの診断ができるのが脳神経内科です。医療機器をはじめ、医療は進歩を続けていますが、基本となるのは「会話」です。その魅力を伝えようと頑張っています。Q.お医者さんになろうと思われたきっけかは?A.私の父は大学で宇宙の研究をしていました。その影響もあり宇宙に憧れ、将来はロケットを飛ばしたいと思っていました。一方、家族に周産期障害で脳性麻痺の兄弟がいましたので、「脳の病気でなぜ歩けなくなるのかなあ?」などといろいろ疑問を持ち、小宇宙ともいえる脳のしくみをきちんと理解して、病気の診断や治療ができるようになりたいという思いを持ち、医学の道に進みました。103

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