KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2021年11月号
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自身の免疫細胞が繰り返し脳や脊髄を攻撃して電線が傷つけられてしまう「多発性硬化症」、また超高齢社会で患者さんが増えている「パーキンソン病」などがあります。―誰もが心配する認知症は脳細胞が傷んで起きるのですか。脳と脊髄にある中枢神経と呼ばれる部分が正常に機能していたにもかかわらず、何らかの理由でゆっくりと傷んでゆき死滅してしまう変性疾患。その中で最も多いのが認知症です。厚生労働省の試算によると、2025年には約700万人の日本人が認知症になるといわれています。近年、「何らかの理由」が解明されつつあり、アルツハイマー型認知症の場合、ある種の異常なたんぱく質が脳にどんどんたまり、脳細胞が傷つけられ死滅していくことが分かってきました。まず思考を司る海馬が傷み、物忘れから始まります。次第に運動機能に関わ101

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