KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2021年10月号
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です。治療としては、腱膜を見つけて瞼板に糸で留め直して固定することで筋肉のたるみを改善する、二重まぶたのラインや眉の生え際で皮膚を切除して持ち上げ、たるみを改善する手術が主な方法です。―形成外科で治療できる範囲はどう判断するのですか。瞳孔の真ん中の小さな黒い部分の上1・5ミリを基準に、その下まで上まぶたや皮膚が下がってきているかどうかを見ます。ただし、おでこをしっかり固定した状態で目を開けて判断しますので政岡先生にしつもんQ.政岡先生はなぜ医学の道を志されたのですか。A.実家が動物病院で、子どもの頃から父の仕事を見てきたので、獣医になるつもりだったんです。が、兄が獣医学部に入学し、継ぐ必要がなくなってしまった(笑)。父に「やりたいことをやりなさい」と言われ、悩んでいた高校生の時、先生に医学部を勧められました。Q.息抜きや楽しみは?A.今はもっぱら育児を楽しんでいます。おもしろい言動に笑ったり、「こんなことできるようになったのか!」と感心したり。子どもの成長に、日々驚きの連続です(笑)。難しいですね。気になったら眼科や形成外科で診てもらうといいと思います。―その他、まぶたにはどういった病気がありますか。下まぶたの症状ですが、瞼板の外側筋肉のボリュームが多すぎてまぶた内側に押され、まつ毛も内側に向く睫毛内反症や加齢による眼瞼内反症でも、まつげが目の中に入って痛むだけでなく、最悪の場合は眼球表面を傷つけてしまいます。下まぶたが外側に出る眼瞼外反症では目が閉じにくくなります。下まぶた瞼板の下や横の部分の組織が緩んでしまうことが原因です。大学病院ですのでその他にも、治療が難しい場所にできた腫瘍や出来もの、目が閉じなくなる顔面神経麻痺の患者さんも来院されます。―年齢を重ねると、気付かないところもたるむのですね。そうですね。年のせいだからと諦めてしまう高齢の方は多いようです。不自由や不調を我慢していないか、周りの人が観察して受診を勧めてあげてください。79

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