KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2021年10月号
74/116

兵庫県医師会の「みんなの医療社会学」 第一二四回おける将来の医療需要を予測し、高度急性期、急性期、回復期、慢性期の4つの医療機能ごとに必要となる病床数を推計して、病床の機能分化と連携を進めるための構想です(図1)。各医療機関の自主的な取り組みや医療機関相互の協議を通じて、地域内での効率的な医療提供体制を目指しています。─病床の調整は順調に進行しているのでしょうか。岩永 2015年にまとめられた「地域医療構想ガイドライン」に基づき効率的な医療供給体制を築くための機能区分ごとの必要となる病床数を推計すると、2025年の見込み数は約121.8万床となり、2015年時点の約125.1万床から3.3万床ほど減少すると予測されています。ところが、2018年の時点の病床数は約124.6万床と0.5万り増大する一方で、地方では過疎化が進んで縮小すると予測されます。地域医療構想とは都道府県医療計画の一部で、2025年に向けて効率的な医療供給体制を築くために、それぞれの構想区域に─地域医療構想とは何ですか。岩永 すべての団塊世代が75歳以上となる2025年の医療・介護のニーズは、都市部では高齢者の急激な増加によ感染症パンデミックを踏まえた地域医療構想兵庫県医師会医政研究委員会副委員長岩永メディカルクリニック 院長岩永 康裕 先生74

元のページ  ../index.html#74

このブックを見る