KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2021年10月号
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林 そんな!育てていこうなんておこがましい。とにかく多くの方に知ってほしい、という気持ちです。 ラインナップは10年続けている中で、信頼のおける会社からの紹介が多くはなります。でも、神戸発であったり、監督やプロデューサーさんからのお話しもありますし。お客さんのリクエストが上映につながったこともあります。―お客さんとの距離が近いのは、ミニシアターならではですね。林 はい。ただ、スクリーンが一つしかないので、積極的にお応えするのは難しいです。神戸自体、大阪や京都に比べてシネコンじゃない映画館が圧倒的に少ないので、お客さんと作っていける枠があればいいなとは思うのですが…。―先日、元町映画館とも関係の深い、濱口竜介監督が、『ドライブ・マイ・カー』でカンヌ国際映画祭で賞を取られましたね。林 素晴らしいですよね。作品を新しく作られるたびに目に見えて大きくなっていかれます。監督は、神戸におられた2013年~16年の頃によく来てくださっていたのですが、その後もトークイベントに参加してくださったり…。ずっと映画青年のままで、変わらない方です。―江口さんは、思い出に残っている上映はありますか。江口 2019年に、同級生の友達と観た“監禁絶叫上映”です。横にキャストが並んでわいわい言いながら映画を観るというイベントで、そのうち林さんが本当にシャッターを下ろしちゃって(笑)。映画館の中で鳴り物やクラッカーを鳴らして、エンディング曲に合わせてみんな歌って踊りまくるんですから、今だったらあり得ない光景です(笑)。 その時は、ただ楽しい!すごい!という感じでしたが、そういうことが普通にできなくなった現在では、すごい時代だったなーとしみじみ思いますよね。林 昨年は休館を余儀なくさコロナ禍の〈いま〉ならではの楽しみを模索。神戸新聞総合出版センター定価 2,700円+税特設サイト(書籍詳細、取扱店)はコチラ→38

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