KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2021年10月号
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られれば日本の方達も関心を持って下さるのではないかという経営者としての戦略でした。―「ヨーロッパのブランドに追いつくには100年かかると思った」と仰っていました。どこまで追いついたのでしょうか。良い材料を惜しみなく使い、時間をかけて作ると当然コストは上がります。「ギメル」ブランドを立ち上げた1991年当時、「海外ブランドのものは高くて日本のものは安い」と思われていましたから、「100年」というちょっと大げさな表現をして覚悟を決めていました。ところが、〝違い〟を見つけてくださるお客さまがおられたのです。日本人の中に見る目を持った方がいらっしゃると思うとすごく嬉しかったですね。―そして30周年という記念の年に、大丸神戸店に「ギメルショップ」をオープンしたのですね。記念の年?あら、今、気付きました(笑)。以前からいろいろお話は頂いていたのですが、国内でこういう場所を持つのなら「神戸しかない」という思いがずっとありました。ちょうど大丸さんのリニューアルに当たって、「好きなようにつくってください」と言っていただき、決心しました。―お店づくりで大切にしたことは?奥池の工房と同じです。天然の良い素材だけを使い、入って来られた方に「ここは違う」と思っていただける場所。いっぱい並べるのは嫌いなので、季節の変化を感じていただけるジュエリーを選んで置いています。天然光の下で見ていただきた33

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