KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2021年10月号
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―4年前、芦屋市奥池町の工房をお訪ねしました。素晴らしい自然環境ですね。奥池が気に入った大きな理由は「コンビニがない」「自販機がない」。そして空気が美味しい、水が美味しい、ご飯は自分たちで作らなくては食べられない。環境が人間を育てます。だから、この環境に強制的に慣れてもらおうと奥池に工房を移しました。―その環境があるから四季の自然を表現する繊細な作品が生まれるのですね。日本には四季があり、住んでいる人間がその変化を取り入れ楽しんで暮らしてきました。空の色、鳥の声、雨の音、草の匂い…奥池には〝五感〟で受け取れるものがたくさんあります。人工的に作られた自然ではない、本物の自然の中にいると感性が豊かになります。五感を磨けば第六感が育ちます。第六感がその人の〝いのち〟です。当初みんな戸惑ったでしょうね。でも今は、40人のスタッフが自然を楽しんでいます。鳥のさえずりが上手になった男の子がいて、その子の声に鳥が応えるんですよ(笑)。―男の子? ギメルのスタッフですね(笑)。みんな、穐原さんが育てた子どものようですね。全員が若い時からギメルで仕事を始めた子たちです。白紙の状態だから「こうするものだ」と素直に受け入れられます。ギメルでの仕事は妥協が許されません。また互いに切磋琢磨することで本当にいいジュエリー職人、スタッフが育ってくれて、チームとしてとても良い仕事ができています。本物の自然の中で五感を磨くと、第六感が育つギメル 大丸神戸店にて31

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