KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2021年10月号
110/116

今回も、地ごしらえ→植林→下刈り→除伐→間伐→伐採という流れの林業の仕事を、平尾工務店が構造材に使用している紀州材を例にご紹介します。植林後は苗木の成長が妨げられないよう、下草刈りをおこないます。足場が不安定な急斜面で刈払機を操作し、苗木を傷つけないように慎重に除草しますが、人の手でしかできないことであり、林業の中でも最も過酷な作業のひとつです。これを苗木の生長に応じ、スギは植林から約7年間、ヒノキは約10年間続けないといけません。また、植え付けた木が病気になったり、生育不良になったり、曲がってしまった場合は適宜除去します。一方で、植林した木以外の雑木が生えてきたら取り除く必要があります。これらの作業を除伐といいます。やがて木が成長すると森が混み合ってくるので、成長の悪いもの、曲がっているもの、年輪幅が大きすぎたり細かすぎたりしているものなど不良品となりそうな木を間引く間伐を、植林から10~15年ほどの間に1回、その平尾工務店木のすまいプロジェクト失われつつある日本伝統の建築文化を未来へ。連綿と受け継がれてきた匠たちの仕事をご紹介します。木材編|Vol.4植林後の管理110

元のページ  ../index.html#110

このブックを見る