KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2021年9月号
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007/No Time to Die代を代表する最新アイテムを駆使し、今の世を映し出すシンボル的な映画としての役目を担い続けてきたからに違いない。現役を退き、ジャマイカで穏やかな生活を送るボンド(クレイグ)の下へ、CIA出身の旧友が訪ねてくる。「誘拐された科学者を救出してほしい」という彼の依頼は想像を超えた危険な任務だった…というストーリー。気になる最新作で、クレイグが操る愛車は、アストンマーチン社の最新スポーツカー「DBSスーパーレッジェーラ」。最高出力725馬力のエンジンを搭載した〝アストンマーチン史上最速〞のモンスターマシンだ。片や、ボンドを徹底的に追い詰めていく敵の車はランドローバー社が誇る4WD(四輪駆動車)の新型「ディフェンダー」。急こう配や水中(最大渡河水深900ミリ)も走破できる世界屈指のオフローダーを、映画界選りすぐりのスタントチームが運転し、驚愕のカーチェイスシーンを繰り広げる。また、新作でのボンドの〝戦闘服〞ともいえるスーツは、イタリアのブランド、マッシモアルバ製。クレイグ自らが選んだという同ブランドに身を包み、南イタリアの街をアストンマーチンで駆け抜ける。伝統への敬意と挑戦壮大な海外ロケも007シリーズの魅力の一つ。今作のオープニングの舞台となるジャマイカは、第1作「007 ドクター・ノオ」でも登場している。原作者、イアン・フレミングが、007の執筆を開始したゆかりの地から、節目となる25作目の物語が始まるという仕掛けだ。実はシリーズ5作目「007は二度死ぬ」(1967年)の舞台では日本が選ばれ、神戸港など神戸の街並みがロケ地として登場している。同作のボンドカーとして活躍したのが、今では幻の名車と呼ばれるトヨタ2000GTだった。日本屈指のスポーツカーとして知られるが、初代ボンドのショーン・コネリーが颯爽とオープンカーの2000GTを操るシーンは衝撃的で、世界のカーマニアの間で伝説となった。現存する車の30

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