で「ものがたりを聞いて絵を描く」という課題があったんです。ところが、子どもたちがちっとも面白くなさそうで(笑)。「そんなら自分でおはなしをつくってやろう」って思ったんです。それで初めて書いたのが、『ムンジャクンジュは毛虫じゃない』(偕成社)でした。―その後の作品でも図工の先生としての経験は影響していますか。それはもう!僕が児童文学作家になったのは漫画家であったのと、演劇を高校時代からやってたこと、小学校の図工の先生だったこと、この三点セットがあったからです(笑)。―先生のお仕事は、最後まで続けられたんですね。はい。50歳くらいから作家一本でとも思ったのですが、その頃から子どもたちとの毎日がどんどん面白くなってね、これはやめられんわいって思って(笑)。退職してからも十数年、西宮市の小学校の演劇クラブで子どもたちの指導をしていました。全員が出てくる脚本を書くのが毎回至難の業でしたけど(笑)。―作家さん本人が自分たちのために脚本を書いてくれるなんて、贅沢ですね。いや、僕はただ地域の住人というだけで(笑)。でも面白いものでね、演劇をやっているうちに子どもたち自身が、“舞台に出てる人も出てない人も一つになれた”って感じられる時があるんですよ。一体感みたいなことでしょうね。「あー今日の良かったなぁ」なんて声を聞くと、その時は少しはその子らの血や肉となれたかなと思ったりします。―4月に『こそあどの森』シリーズの番外編『こそあどの森のおとなたちが子どもだったころ』(理論社)も出版されましたね。『こそあどの森のおとなたちが子どもだったころ』理論社本体価格¥1,600+税『チョコレートのおみやげ』BL出版本体価格¥1,500+税『はじまりの樹の神話』理論社本体価格¥1,900+税この夏は、あの『こそあどの森』の住人たちが大活躍!46
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