KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2021年8月号
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子供の頃、ザ・ベストテンを楽しみに姉妹でものまねをしながらよく歌っていたことを懐かしく思い出します。大人になり改めて歌詞を知ると、子供の頃に感じていた記憶とは違い、せつない大人のラブソングだったのかと初めて知りました。風見鶏の館 伊藤 裕子わたせせいぞうギャラリー 若宮 有紀いい意味で変態的な曲調がただただカッコ良く、見えないものまで見せてしまう詞。Rockだけど叙情的でなんとも魅力的なのです。あの頃、「幸せになること」に夢中で、「幸せであること」に熱心な今。だからこそ、もう一度松本隆の世界をまるごと反芻する時が来た、と思うのです。ルビーの指環風をあつめてSWEET MEMORIESアップルファーム 馬場 孝宏最初に触れたのは、九州の田舎町で過ごす中学生の頃。男女の掛け合いで小説のようにストーリー展開するこの曲は、斬新な歌謡曲として今でも記憶に残っています。長男坊は家を継ぐのが当たり前と言われていた時代。当時は都会への憧れなんて感じておらず、「彼女」の立場が「当然でしょ」と考えてたように思います。でも時が経ち‶都会の人”になり、改めて聴き直すと、「彼」の立場が「当然でしょ」って思う自分がいました。木綿のハンカチーフ帽子の㐂久屋 宮繁 喜久・恵子トレンディドラマの主題歌でもあった、この作品は、‶今一瞬あなたが好きよ 明日になればわからないわ"の詞が印象的で、80年代当時学生だった私が、思いつめるほどではないけれど、リアルに感じていた期待と不安みたいな気持ちと共鳴し、今も心に残る好きな作品の一つです。カラッとしてて重たくないけど、確かにその時代に在った空気感を切り取って色褪せないのが松本作品の魅力だと思います。今でもこの曲を聴くたびに、当時の“青さ”が思い出されて、キュンとしているアラカン世代なのでした。蒼いフォトグラフ当時小学生だった私。学校の階段の踊り場でベストテンごっこをし、みんなの前で歌っていました。途中の英語の歌詞は聞いたままめちゃくちゃ歌っていましたが、誰も気付くことなく熱唱してました。Don't Kiss me babyWe can never beラインの館 藤井 彰子40

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