KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2021年8月号
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ンのことだ。「長年、医師としてMRに接する機会は多く、製薬会社にもMRなどの知人は多い。実は、この小説の構想は約8年前から温めてきたのですよ」と語る。その構想が生まれたきっかけとは?「出版社の編集者と話をしていたとき。〝作家と編集者の関係と、医師とMRの関係はとても似ていないか?〟という話になりましてね」つまり、作家に作品を書いてもらおうと、編集者は作家に気を遣い、涙ぐましい努力をする。片や、MRは医師に、薬やワクチンを契約してもらおうとあらゆる手を尽くす…。ときに無謀な要求にもこたえながら。「MRは高度な医療の専門知識を習得し、年収も高く、社会的にはエリート職種です。しかし、ライバルの製薬会社と競い合いながら自社製品の営業をかけるMRは、医師からの無理難題な注文にこたえながら、友好な関係を築かなけれ32

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