うに、どんどん謎が仕掛けられていって、ぐいぐいその世界に引っ張り込まれるような魅力に富んでいます。探偵小説は、最後に謎が解き明かされてすっきりする反面、さっきまでのドキドキワクワクがしぼんでしまう残念さがありますが、横尾作品は奇妙珍妙で、いつまでも解けない謎のなかに迷い込んでいくようです。そんな迷宮的な作品を存分に味わっていただきたいと思い、会場には様々な工夫を施してみました。真っ暗な部屋や真っ赤な部屋、大きな絵画が大迫力で続いたかと思うと、小さな作品が壁を埋めつくす、などなど。なかでも圧巻は、《滝のインスタレーション》という作品で、滝のポストカードで部屋の壁も天井も埋め尽くしています。横尾さんは滝や滝の絵を描く夢を見たことから、絵のモティーフにするために滝のポストカードを集めるようになります。そのなかから、約1万枚を使って、滝の部屋が出来上がりました。壁や床に鏡が貼ってあるため、あたかも《教理》2021年 作家蔵《高い買物》2020年 作家蔵22
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