KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2021年8月号
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横尾忠則さんの連載「神戸で始まって神戸で終わる」をご愛読のみなさま、はじめまして。今回は、この場をお借りして、東京都現代美術館で開催中の「GENKYO横尾忠則」展をご紹介いたします。この展覧会は、60年代に活動を始めてから現在まで、水のように千変万化を遂げてきた横尾さんの画業を一望し、現在の創作を目の当たりにすることのできる好機です。展覧会は、まず神戸の横尾忠則現代美術館にご協力をお願いするところから始まりました。拝借する作品はどんどん増え続け、学芸員のみなさまを危機一髪に追い込んでしまうほどでした。また、海外の美術館や所蔵者の方々からも拝借し、貴重な作品が一堂に会する本店の出品総数は、約600点に上っています。だったりと見る人を惑わすようなところがあります。それは、横尾少年を夢中にさせた江戸川乱歩の探偵小説のよ横尾さんの作品は、ある作品が別の作品に入り込んだり、同じように見えてまったく違う時期に描かれた作品《原郷》2019年 作家蔵(横尾忠則現代美術館寄託)東京都現代美術館 学芸員 藤井亜紀頭を開き、心も開いて21

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