KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2021年7月号
91/124

「昔から食べるのも、作るのも好きでした」。そう言いながら和モダンなのれんを掲げる『花唄』(はなうた)店主の山沖陽介さん。お父様は、ダイナミックな投球フォームで多くの野球ファンを魅了した山沖之彦さん(元阪急ブレーブス)。お母様の木綿子さんは、かつて『白川亜樹』の名前で宝塚歌劇団に在籍した女優。そして妹様の芹香斗亜さんは現役でステージに立つ男役スター(宙組)である。中学までは野球、高校からはアメリカンフットボールで汗を流した青春時代。一度は東京でサラリーマンをしていたが料理の道を志し専門学校へ入学。卒業後は有名ホテルで修業を積み念願のお店を構えた。昆布と鰹の合わせ出汁をベースに調理する和食はどれも絶品。また14時〜17時のカフェタイムには木綿子さんが京都から仕入れる選りすぐりの日本茶と甘味が楽しめる。ちなみに之彦さんも時間を見つけてはエプロン姿で給仕をする。その勇姿に現役時代を知る人は驚きを隠せない様子だと言う。店名の由来を聞いてみたところ「開店準備の最中に他界した祖母が夢に現れお告げがありました」と不思議な体験を振り返る。「今は、この場所で地に足をつけて頑張るだけです」と謙虚な姿勢で厨房に立つ陽介さん。家族の絆ともてなしが詰まったお店である。 連載コラム 「続・第二のプレイボール」   文・写真/岡力<コラムニスト> 引退後にさまざまな世界で活躍する元プロ野球選手の「今」をご紹介します。Vol.15 華麗なるファミリーの新たな挑戦おばんざいカフェ『花はなうた唄』軒先でもてなす山沖ファミリー父親譲りの体格を持つ山沖陽介さん■おばんざいカフェ『花唄』神戸市灘区八幡町2-13-13【電】078-891-3534【交通】阪急電鉄 神戸本線六甲駅 徒歩2分91

元のページ  ../index.html#91

このブックを見る