KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2021年7月号
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―「腰痛」にはどんな原因があるのですか?大きく分けて2つあり、1つは背骨自体や周辺の筋肉が痛みの原因になっているケースです。子どもから青年期にかけては、疲れによる腰痛のほか、椎弓と呼ばれる腰の骨の一部に亀裂が入る腰椎分離症、また、それが進行した腰椎分離すべり症、軟骨が突出する椎間板ヘルニアなどが挙げられます。また、年齢を重ねると背骨の内部が狭くなり神経が圧迫される脊柱管狭窄症、椎間板や椎間関節が傷んでくる変形性腰椎症、骨粗鬆症による腰椎圧迫骨折、背骨が曲がってくる側弯症などが見られます。どの世代でも腰痛に悩まされる人は多く、それによる社会全体の経済損失も莫大であると考えられています。―もう一つの原因は?内臓疾患からの腰痛です。腎結石による腰痛はその代表格ですが、すい臓がんや大動脈瘤破裂による腰痛もあります。また、最近増えているのが、〝がん〞の骨への転移による腰痛です。〝がん〞の治療中に、ある日突然、背神戸大学医学部附属病院整形外科 第3回 多くの人が悩まされる「腰痛」のはなし子どもからお年寄りまで多くの人が腰に痛みを抱えています。その原因や治療、予防について角谷賢一朗先生にお聞きしました。神戸大学大学院医学研究科外科系講座整形外科学分野 脊椎外科部門特命准教授 角谷 賢一朗 さん84

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