兵庫県医師会の「みんなの医療社会学」 第一二一回入口までの綿棒採取で可能となっています。このように方法も替わってきていますが、いずれにしても、あくまでもその時点の判定であると理解することが大切です。 PCR検査も絶対的なものでないので、本当に感染していたか、あるいはワクチンの効果が出ているかを判定するには、血液採取による抗体検査をする必要があります。─検査機関も拡大されてきたようですが。足立 当初はPCR検査ができる場所も限られ、確定診断まで時間がかかるということで、発生の実態もつかめないお粗末な状況でした。その後、各府県の衛生検査所で検査出来るようになり、民間検査会社でも順次体制が整っていったという訳です。 新型コロナの場合は法的な感染症対象疾患として行政的な検査対象となりますから、その検査は公費扱いとなります。 初期段階では、行政が関係病院に「帰国者・接触者外来」を法が一般的でしたが、後から唾液でも認められるようになりました。抗原定性検査では、鼻の─新型コロナウイルス感染症の検査方法には、いろいろとあるようですね。足立 はい。一番知られているのがPCR検査ですが、これにもいくつか方法があり、その精度設定によっては感染力がなくなっても陽性が残る場合があります。次に多く使われているのが抗原定性検査で、その場ですぐ判定でき、発症初期の確定診断にも使えますが、偽陰性など疑わしいときはPCR検査を追加します(表1)。PCR検査では綿棒を鼻の奥まで入れる方新型コロナ検査方法の変遷と今後兵庫県医師会副会長あだち医院院長足立 光平 先生検査種類抗原定性検査抗原定量検査PCR検査○調べる ものウイルスを特徴づけるたんぱく質(抗原)ウイルスを特徴づけるたんぱく質(抗原)ウイルスを特徴付ける遺伝子配列○精度検出には一定以上のウイルス量が必要抗原定性検査より少ない量のウイルスを検出できる抗原定性検査より少ない量のウイルスを検出できる○検査 実施場所検体採取場所で実施検体を検査機関に搬送して実施検体を検査機関に搬送して実施○判定 時間約30分約30分+検査機関への搬送時間数時間+検査機関への搬送時間(表1)新型コロナウイルス検査の方法と違い 出典:厚生労働省コロナ検査用の自院プレハブの前で82
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