KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2021年7月号
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担当する社会福祉士、中でも精神疾患に関わる場合は精神保健福祉士、ケアラー本人の心に寄り添い話や悩みを聞く公認心理師、この3名の職員が中心になり電話またはメールで対応します。さらに社会福祉士でもある私と、福祉の領域で仕事をしてきた2名の職員も随時フォローできる体制を取っています。−相談・支援窓口での今後の取り組みについて。長いケアから解放されても精神的な負担から自身が体調を崩して、社会に復帰できないというケースも多く、それを防ぐためにも早めにカウンセリングを受けて、ケアの期間をできるだけ短くすることが大切です。相談できる窓口があるということをどうやって広く知ってもらうかが課題です。SNSを使って知らせるとともに、学校の先生方から伝えてもらうという方法を考えています。また、ケアラーだった人の話を聞いたり、当事者同士が顔を合わせて話をしたり、情報交換したりできる場を今年の秋をめどに開設する予定です。−私たちにできることはありますか。家庭内のことは他人には知られたくないものです。親から「ケアのことは外で話してはいけない」と言われると、子どもは忠実に守り、友達や先生にも相談はしません。「周りの大人からひと声をかけてもらっただけでも嬉しかった」という元ケアラーの経験談を聞きました。声をかけたり、可能な範囲でのお手伝いをしてあげたり、そんなことから始めてケアが大きな負担になっている子どもや若い人に気付いたら、ぜひ私たちにつないでほしいと思います。まず周囲の大人が、「家庭内で子どもは介護力の一つ」と捉える考え方を改めるとともに、「子どもの権利を守る」という考え方に基づき、声なきヤングケアラーの存在に気づいていくことが大切ではないでしょうか。こども・若者ケアラーに気づかれた方へ(神戸市からのお願い)家族のケアや世話をしている「ヤングケアラー」は、20人に1人と言われています。自分自身が『こども・若者ケアラー』であるということを子どもや若者が認識するのは難しいとされています。また、半数以上の『こども・若者ケアラー』が自分の悩みを周囲の誰にも話していないという調査結果も出ています。地域活動や仕事等を通じて、「もしかしたら、こども・若者ケアラーかもしれない」と感じたときは、ぜひ、こども・若者ケアラー相談・支援窓口にご連絡ください。こども・若者ケアラー相談・支援窓口開所時間:平日9時~17時     (土日祝、年末年始を除く)場  所:神戸市立総合福祉センター1階     (神戸市中央区橘通3丁目4番1号)〇電話によるご相談 078-361-7600〇Eメールによるご相談 carer_shien@office.city.kobe.lg.jp81

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