KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2021年7月号
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すると、「恥ずかしい」、子どもに鍵を持たせたら、「かわいそう」などと言われる時代でしたよね。私も、家事はちゃんとしたいし、子どもは欲しいし、子育てもちゃんと…頑張り過ぎて疲れちゃって、3年ほどで仕事は一旦やめました。…その後、仕事を再開したきっかけは?お稽古事もやってみたけどつまらなくて。そんな時に再会した先生から、「子どもクラスの先生が辞めるので後を引き受けてもらえない?」と声をかけていただき、週に2時間程度絵画教室の先生を始め、子どもが生まれてからはお義母さんにお願いして、それ以来25年。…先生歴が長いのですね!やめようと思う度に子どもたちや親御さんから「やめないで」と言ってもらって、必要とされていると思うと嬉しくて続けてこられたのかな。自分の絵を描くことに専念したいという思いも強くなって、そんなときに背中を押してくれたのが主人。2017年、「Atelier ACUTE」をオープンしました。それでも家事はしていますよ。中途半端は嫌だから。…わかります。私たちの世代って、「仕事をさせてもらうのなら家事もきちんとやらなくちゃ」と思ってしまうものね。教室の子どもたちにとってひとみさんはどんな先生なのかな?まずは自由に絵を描かせています。でも言葉がちゃんと理解できる年代の子どもには、道具をきちんと大切に使う方法や、色の塗り方、絵の具のことなど基本的なことを教えたり、3原色で色の作り方を実験したりします。すると色をたくさん上手に使って、どんどんカラフルできれいな絵になってきます。…「自由」と「教える」ということのバランスは大切ですね。ひとみさんはいつも「子どもに絵を教えるのは世界平和のため」と言っているけれど、それはどういう意味?目には見えないものを想像できる人になってほしいから子どもたちには絵を描いてほしい。そうすれば、人の気持ちも想像できて喧嘩もしなくなり、世界平和につながると思うのです。アートを通して心を育てたいんです。こんなこと言っても、自分が何もしないのでは、「何言ってるの?」って思われてしまう。だから私自身が自分の想いをどんどん作品にしていかなくちゃいけない、と思っています。…私も大好きな「erotitta」さんが誕生したのはいつ?数年前。仕事としてデザイン画は描いても、「自分の表現」を他人様に見せるなんて恥ずかしくて、アトリエで一人、スケッチブックに落書きしていたら突然、下りてきたの。思い切ってインスタにあげたら、友達から「あんな絵を描くの!?面白い!」ってコメントがきて、友達のコピーライターさんが「エロス」と「チーター」を組み合わせてネーミングしてくれて誕生したのが「erotitta」さん。フレンズもどんどん増えています。76

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