「サクラの『サ』は『山の神』を意味します。神が、山から里に降りゆく途中で「座する場=クラ(鞍)」とした神聖な木を「サクラ」と呼びました。桜の花は、そこに神が到着したことの証なのでしょう。」という文章と共に、自然の風景や、何百年も前から使われてきた版木、それで刷られた桜の唐紙などの写真が紹介されています。唐紙の文様にはひとつひとつに込められた祈りや願いがあるそうです。そもそもこの本は、とあるプロジェクトに襖紙を選ぶにあたり、カタログ代わりに購入したのですが、ページをめくるごとに、美しい文様と込められた意味や願いを知ることができ、不思議と穏やかな気持ちになる一冊です。『日本の文様ものがたり 京都「唐長」の唐紙で知る』著 唐紙師 トト アキヒコ出版社/講談社ART 2,530円(税込)一級建築士事務所YURI DESIGN前田 由利さん唐紙の文様ひとつひとつに込められた祈りや願いを知るThis one Book最近読んだ一冊32
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