KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2021年7月号
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人生は物語であると僕は常々想っているが、65年の長い年月を経て、昔の土地に戻ってきたこの奇蹟を想う度に、人生の不思議なめぐり合わせである奇縁に思わず感謝の念を抱いてしまうのである。ひょんな一言が時空を越えて、想像だにしていなかった現実にフィクションが持ち込まれたような気がして、未だに現実味が乏しいのである。人の想像力というか空想力は見えない四次元空間を動かして三次元空間に物質現象を起こすという事実を目の当たりにして、僕はいつも横尾忠則現代美術館に足を踏み入れているのである。美術家 横尾 忠則1936年兵庫県生まれ。ニューヨーク近代美術館、パリのカルティエ財団現代美術館など世界各国で個展を開催。旭日小綬章、朝日賞、高松宮殿下記念世界文化賞受賞。横尾忠則現代美術館にて「Curators in Panic ~横尾忠則展 学芸員危機一髪」開催中(8月22日まで)。http://www.tadanoriyokoo.com展覧会のお知らせGENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?何を描くかではなくて、どう描くかでもなく、如何に生きるかでもなく・・・・・・。―横尾忠則すべての人間の魂のふるさと「原郷」から汲み上げた、豊かで奔放なイメージの世界「幻境」は数多の独創的な絵画に描き出してきました。本展は、そうした横尾忠則の「現況」にも触れることのできる展覧会です。■会期:2021年7月17日(土)~10月17日(日)■休館日:月曜日(8/9、9/20は開館)、8/10、9/21■開館時間:10:00-18:00(展示室入場は閉館の30分前まで)■会場:東京都現代美術館企画展示室1F/3F(東京都江東区三好4-1-1)■主催:公益財団法人東京都歴史文化財団東京都現代美術館、朝日新聞社、テレビ朝日、文化庁、独立行政法人日本芸術文化振興会■特別協力:横尾忠則現代美術館、国立国際美術館、カルティエ現代美術財団■お問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル/9:00-20:00年中無休)■展覧会公式Twitter:@GENKYO_Yokooten22

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