KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2021年7月号
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館と広島市現代美術館で開催された時に学芸員のひとりとしてこの個展のキュレーションに関わっていただいていた。その後、兵庫県立美術館で開催された「冒険王」展でも担当学芸員としてお世話になっている。出原さんが美術館構想に関わっているということをそんな突飛なロマンチックなところがあった。一方、兵庫県立美術館の学芸員である出原均さんも横尾美術館の準備室の一員として何度も現場に足を運んでくれていた。出原さんは広島現代美術館の学芸員で、かつて「森羅万象」展が東京都現代美術井戸知事兵庫県立近代美術館の西館が候補に上ると同時に、早急に地震のメンテナンスの工事に入った。その頃には県庁の担当者とのミーティングがアトリエで定期的に行われたが、目に見えて進行する状態でもなかった。山崎さんもこのミーティングには何度も顔を出された。山崎さんは夢想家で、現実的な話をしなければいけない時でも夢のような非現実的な話をしながら空想にふけっていた。神戸の僕の美術館と当時、西脇にあった西脇市岡之山美術館を地下道で結ぶという、勿論空想上の話であるが、蓑館長、瀬戸内寂聴さん、筆者19

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