KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2021年7月号
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「まずは手に取ってかぶりやすさを確かめてください。インポートメーカーは、1センチ刻みでサイズの幅がありますから」。そう語るのは個性豊かな商品が並ぶ帽子専門店「㐂久屋(きくや)」オーナーの宮繁喜久さん。根っからの神戸っ子、実家は古くから映画館を営んでいた。新卒で服飾雑貨も販売する『キデイランド』に就職。長きに渡り勤務し梅田店ではフロアマネージャーも務めた。2002年、かねてからお気に入りのスポットだったトアウエストにご夫婦で店舗を開業した。「以前から帽子が好きで近隣のお店にはよく足を運んでいました。でも頭が大きいので自分に合うサイズがなくて」と振り返る宮繁さん。「そうなんですね」と他人事のように笑う私も実は無理してかぶることが多い。せっかくなので夏用を購入することにした。オススメは、南米・エクアドル共和国産のトキヤ草を使用した「パナマハット」、そしてフィリピン産「マニラ麻」を細く裂いて編んだ超軽量の「シゾールハット」。共にこれからの季節、おでかけ時に最適な相棒である。鏡の前で少し照れながら試着し「シ、シゾールで…」とそのままかぶって帰ることにした。「街のスタンダードになりたいです。作り手の方の思いをお客様に伝えられるよう丁寧な販売を心掛けております。是非、帽子に対してこだわりをもって欲しいですね」。これからも季節の変わり目に再訪を重ねたいお店である。第九十一回自分に合ったかぶり心地の良さを実感神戸元町・帽子専門店『㐂久屋』神戸のカクシボタンkakushi button写真/文 岡 力バリエーション豊富な「パナマハット」、「シゾールハット」「蔵」をイメージした店内には、レディース商品も並ぶ親切丁寧にお客様へ寄り添う宮繁夫妻■帽子専門店『㐂久屋』神戸市中央区北長狭通3-5-4【電】078-331-1662【営】12時〜20時【休】WEB参照(http://kikuyahatters.com/)【交通】JR・阪神元町駅東口より徒歩約3分   阪急三宮西口より徒歩約8分■岡力(おか りき)コラムニスト・放送作家ふるさとが神戸市垂水区。関西の大衆文化をテーマとした執筆・テレビ、ラジオ番組を企画。連載「のぞき見雑記帳」(大阪日日新聞)「あての履歴書」(大阪スポーツ)119

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