KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2021年6月号
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のを見て、そんな文化が根付いたら楽しいだろうな、って。星加 コロナ禍で時短の意識が芽生えてきましたし、夕方の時間を活用した会食のカジュアルダウンも大いにあり!ですよね。仕事と会食の間に、スタンディングでカジュアルに飲み食べを楽しむ時間を持つ。一杯飲んで、さっと帰宅してもいいし、その後に食事に向かうのもいいわけです。福岡 9時5時に固定した時間切りのワークではなく、結果を評価するワークへと変わってきていますからね。沼部 日中と気分を切り替え、リラックスしたり、あるいは仕事の延長として職場の人とお酒を飲みながら語りあったり。スタンディングにすれば、他の企業の人とも会話でき、地域の交流の場にもなりますよね。そんな「アぺ文化」を、福岡さんが市の公共空間の利活用アドバイザーとして携わっている阪急神戸三宮駅の北側「サンキタ通り」と「さんきたアモーレ広場(8月末オープン予定)」で実現させようと目論んでいるところです。福岡 沼部さんから「アぺ文化」の話を聞いて、面白い!と思いました。現在、三宮にある6駅と周辺を一体的につなぐ「えきまち空間」の実現に向けて、様々な取組みが進められています。その先駆けとして再整備された「さんきた」は、神戸の玄関口として、外から来る人と、神戸で働く地元の人の接点になればいいと。AI時代、人に残されるのは人の出会いによる触発→共創の流れだと思うので、これとても大事なことです。星加 人が大勢集まる街角や道端を“辻”って言いますよね。「さんきた」は神戸での辻的な役割を持つ、神戸期待のエリアですね。福岡 まずは「さんきたアペリティフ~実験夜市~」として、屋台やキッチンカーで神戸ローカルや国際性を感じられるメニューを提供したり、音楽やメディアアートを楽しむなど、夕方から8時くらいまで、一帯をフェスティバル空間とする実験を何回かやりたく思います。例えば自転車牽引型のサウンドシステムを伴ったDJさんが、東と中央と西に位置して、ジャズとロックとテクノを流し、アペタイムを楽しんでいただくとか。細長い「通り」というエリア特性を活かしたものをやりたいですね。「さんきた」で沈没するのでは無く、着火剤的な役割。さっと終えて、その後、周りのナイトスポットに流れていく仕掛けになればと。星加 「0次会」という位置づ昭和60年の誕生以来「パイ山」の愛称で親しまれてきた「さんきたアモーレ広場」が再整備(8月完成予定)。新デザインでは円盤形ベンチ等も登場38

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