KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2021年5月号
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元村 もちろん優秀な医局員が一人減ることは大阪市立大学としては痛手でしたが、原岡先生は美容外科の領域で頑張っておられたので、「これはいいことだ!」と後押ししようと決めました。神戸大学の美容外科には歴史があり、国立大学では全国初、独立した診療科として美容外科を開設した先駆的な存在ですからね。私の中では、神戸大学と大阪市立大学の共同プロジェクト(笑)。原岡 私も同じ気持ちです。ところが、我が国の美容外科がガラパゴス化していることは否めません。まずは、神戸大学の美容外科を知っていただき、他の診療科と同じ土俵に上らなくてはいけません。―美容外科の需要は、これから増えるのではないでしょうか。原岡 増えるでしょうね。だからこそ、美容外科を独立した学問として確立し、安心して患者さんが受診できる美容外科をつくらなくてはいけません。中でも、高齢化社会ですからアンチエイジングには力を入れていきたいと思っています。例えば女性の平均寿命は80代後半、エイジングが気になる60歳を過ぎたころから20年以上あります。長い年月。どうせなら健康でハッピーに過ごしたいですよね。 そこで、大学が6月に開催する市民講座は「アンチエイジング」をテーマにしました。大学病院の責任として、今後もテーマを変えて講座を定期的に開催していく予定です。―原岡先生への期待は?元村 メスという刃物を持って仕事をすることが許されているのが外科医です。メスを持つ美容外科も形成外科のトレーニングを積みスキルとメンタリティーを身につけた専門医が手術するべきですし、手術をした患者さんには最後まで責任を持つべきです。原岡先生には頑張ってもらわなくては!そして神戸大学で原岡先生の教えを受けた若いドクターが全国に出て行き、安心して受診できる美容外科を広げていくのが理想的な形だと思っています。49

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