KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2021年4月号
24/57

新作を手に取って〝意外に思う〟ミステリーファンは少なくないかもしれない。新作は読後、清々しい気持ちにさせてくれる爽やかな青春小説だから。ただ、イヤミスの女王は、普通の青春小説のままで物語を終わらせはしないが…。「若い読者に毎日、新聞を読んでもらうためには?」と考え抜き、これまでやったことのないアイデアを盛り込んだという。「ミステリー色をおさえ、前向きに、明るいテーマで…。いずれも初めての挑戦でした」と〝得意の武器〟をあえて封印。新境地を開く意欲作だったと明かす。主人公、圭祐は中学時代に陸上競技に打ち込むが、交通事故で脚を負傷し、走ることを断念。高校に入学して知り合った同級生に放送部に誘われ、同級生や先輩たちと全国高校放送コンテストを目指す…というストーリー。圭祐を中心に青春群像劇が展開する。ラジオドラマ部門、テレビドキュメント部門など、放送部の高校生たちが自分たちでオリ26

元のページ  ../index.html#24

このブックを見る