KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2021年4月号
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ロングセラー小説「告白」など数々の傑作ミステリーを手掛けてきた。 復讐、恨みなど人間の心の奥深くにある闇を浮き彫りにしていく繊細かつ鋭い精神描写を得意とするところから、付いたニックネームは〝イヤミスの女王〟。「読んだ後、嫌な気持ちになる小説」の意味だが、 新作の小説や映画に新譜…。これら創作物が、漫然とこの世に生まれることはない。いずれも創作者たちが大切に温め蓄えてきたアイデアや知識を駆使し、紡ぎ出された想像力の結晶だ。「新たな物語が始まる瞬間を見てみたい」。そんな好奇心の赴くままに創作秘話を聞きにゆこう。第8回は作家、湊かなえさん。創作の原点見つめ直し…青春小説で拓いた新境地THESTORYBEGINS-vol.8作家湊 かなえさん⊘ 物語が始まる ⊘んな思いから、子供から大人まで、幅広い年齢層に向けて紡ぎ出された青春小説。自身初の新聞連載小説として、2017年から18年にかけて、神戸新聞など全国の地方紙に連載された「ブロードキャスト」の続編だ。女優、松たか子主演で映画化された原作で、大ヒットした読む楽しさを伝えるために「新聞を読む習慣のあまりない若い世代にも、もっと新聞や連載小説を読んでほしい。もっと文章を読む面白さ、その魅力を伝えたい。そのためには…」先月刊行されたばかりの新作小説「ドキュメント」は、こ24

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