KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2021年2月号
7/53

姿を映すだけでなく、広い空間をより広く感じさせる。鏡の縁とシャワーやトイレを仕切るガラスには、ライト風の幾何学模様をアクセントに。体はもちろん、心まで温めてくれるヒーリングスペースで、一日の疲れを洗い流そう。約6畳の面積にバスとシャワーブースのほか、洗面とトイレも併設しているが、これは欧米でよくあるスタイル。実際にライトが手がけた図面を見るとほとんどがそのようになっている。しかもここまでゆとりを持った配置は、車椅子対応のケネス・ローレント邸くらいなものではないだろうか。ラメ輝くバスタブは深めのつくりで、肩までゆったり浸かれてリラックス。半身浴も楽しめるステップ付きだ。その向かいにはシャワーブースがあるが、ハンドシャワーはもちろん、向日葵の花のようなオーバーヘッドシャワーも備えており、湯量をたっぷり感じられ温まりやすい。洗面はボウルを2つ設置、大きな鏡は広い空間をより広く感じさせる近代建築の巨匠、フランク・ロイド・ライトの哲学を正統に受け継ぐオーガニックハウス「ラッタンバリー」シリーズの平尾工務店神戸東モデルハウスは見どころが多いが、中でもほとんどの来訪者が思わず感嘆の吐息を漏らすのがバスルームだ。何気ない木の引き戸を軽やかに右へ滑らせると、陶のタイルが強調する水平のラインが目を惹き、その自然な土色も上品だ。奥にあしらわれたミルクカラーのガラスブロックが外光をやわらかく招き入れ、その光を艶やかな床が反射し、優美な明るさを生み出している。7

元のページ  ../index.html#7

このブックを見る