KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2020年12月号
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戦略にはまって(笑)、ホテル専門学校でサービス業を修学。休日には母とレストランやホテルへ出向くことでサービスの良し悪しがわかるようになり、母のお店を手伝いながら接客を通じて料理やサービスの楽しさを覚えていきました。…裕子さんが考える、いいサービスとは?自分がしてもらって気持ちがいいと思うことをしてくれることです。例えば、私が20代前半にシンガポール旅行で受けたサービスが忘れられません。現地でサイズがあわないコートを購入したのですが、旅先ゆえお直しは無理と諦めていたところ、お店の方が「明日素敵なディナーから戻ったら、ベッドの上にあなたにぴったりのコートが置いてあるでしょう」と引き受けてくれたんです。そして次の日、私が泊まっていたシャングリラホテルまで、ぴったりのサイズにお直ししたコートを届けてくれました。私のためにわざわざ…という特別感こそ、サービス。そんなサービスを行うためにはまず良いサービスの本質を知らないといけないし、また良いサービスを受けることができる人になりたいと思いました。…サービスって目に見えないものだから、わかってくださるお客様との出会いやお付き合いが楽しいですよね。裕子さんとお母様、お二人は最強のコンビだったのだろうなと思います。とはいえ、おもてなし界で名の知れたお母様のあとを継がれるにあたり、裕子さんらしさを新たに表現していかなければならないのは、0からスタートするよりも難しかったのでは?母が他界したあとしばらくは母の教えを忠実に守り、きちんとやっていかなければと思っていました。しかし、これは母も言っていたことですが、音楽家の息子が親と同じ演奏はできないし、また同じにする必要はない、と。お客様は私に母と同じことを求められているのではありません。だから母のスタイルに私のやり方をミックスさせた私独自のスタイルでいこう!と最近、ようやく思えるようになりました。母は母の時代のニーズがありますし、私はトレンドも取り入れて、自分の舌や感覚を信じて仕事をしています。…絶対に守っていくべきものと、時代にあわせて変えていかなければいけないスタイルがありますよね。万記子さんもそうだと思いますが、やみくもに独自性を創りだすのではなく、ベースとなることをきちんとやってきたから、自身のエッセンスを入れる余裕もあるのかなと自負しています。…裕子さんは一見、豪快に見えるけれど、よく気が付かれる繊細な面も持ち合わせておられますから、きっとお料理も、あっ!と驚くような演出をしながら味わいは優しいのだろうなと勝手に想像しています(笑)。裕子さんの料理教室のコンセプト“食はファッションの原点”とは?きちんとしたものを食べないとカラダがカサカサになってしまいますよね。いくら高級ブランド42

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