KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2020年12月号
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尽力もあってですが、労働許可もスムーズに取れた。おおらかな時代でしたよね。−とんとん拍子の絵本作家デビューですね。運がよかったと思います。最初の原稿をくれたのが、その後、長い付き合いになるアンデルセンプレスの社長でもあるクラウス・フルーガーさん。彼と知り合えたのが大きかった。−その後、何作品もが、世界中で出版されていますね。最初に英語圏で出版されるので有利かなとは思います。英語はほとんどの世界で通じるので。でも、最初の本『ぼくはおこった』が日本で出版されるまでには8年かかった(笑)。実は、ぼくの本がいちばん読まれているのはメキシコとか、ラテンアメリカかもしれません。−少し、意外です。25〜30年くらい前は、メキシコにはまだ自国の絵本作家があまりいなかったんです。それで、自国の文化を育てるために欧米から多くの絵本を輸入した。その中にぼくの本も運よく入っていたんです。メキシコでのサイン会の時、ぼろぼろの本を持って来て「お母さんが私に読んでくれたこの本を、今、私が子どもに読んでます」と言ってくれた人もいました。子どもの問題は、大人の問題でもある−世界各国で、ワークショップなどを行っておられますね。ラテンアメリカやヨーロッパ、アジアなど、いろんな場所から声をかけてもらってます。今年も台湾とメキシコのブックフェアに行くはずだったんですが、コロナで中止になりました。−それぞれの国での、子どもたちの反応はいかがですか?どの国でも子どもは一緒だと感じます。特に7〜9歳の「作品をつくるときはひとつの絵を何度でもひたすらに描き続ける」というきたむらさん。写真は『スマイルショップ』の表紙案31

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