KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2020年11月号
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…もともとは欧州の食器類の輸入業を手掛けられていたとのことですが、アパレル業界に参入されたきっかけは?27歳で起業した輸入食器店で百貨店の催事に出展することとなったのですが、食器ゆえに搬入・搬出にとにかく手間がかかるのです。隣のブースではインポートセーターを販売されていて、段ボールで納品した商品をラックにかけるだけ、5分で準備完了。しかも2万9000円もするセーターが飛ぶように売れているんですね。一方、私の2900円の食器は耐久品なので、なかなか売れない。5時間かけて準備しても搬出入5分のアパレルの売上1/10しかない食器。商売の観点から見たとき「どちらがいいのか?絶対に服!でしょう」って。アパレルの道を歩み始めるにあたり、売りたい服がありました。前職のバイヤー時代から注目していたフランスの「ワンマイルウェア」です。パリの人たちが着こなしているお洒落な普段着を輸入して売ろうと。とはいえ食器とアパレルは業界も違いますし、コネもないので、体当たりの熱意で仕入先を開拓したんですよ。…私もフランスに暮らしていたのでよくわかるのですが、バカンスを大切にしているお国柄ゆえ、休日のラフな着こなしもカッコいいですよね。ジーンズスタイルが登山風にならない(笑)。それにしてもスピーディな決断と行動力に驚かされます。成功をおさめた社長さん達には思い切りのよさやスピードが共通していますね。まず効率を考えるんです。それは今も変わらず商売の原点となっていて、後々バレエシューズや山の手スカートなど、単一アイテムを集中販売するのも私の“効率化好き”が編み出したものです。「ワンマイルウェア」の次は「ワンパックウェア」という海外出張のスーツケースにも収まりやすい、カジュアルにもパーティにも41

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