KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2020年11月号
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配信などいろいろなチャレンジはしていますが、やはりそういう現実の祭りの場を早く取り戻したいという気持ちは正直あります。安藤 今は何でもリモートで、私も海外にも行けませんから仕事はリモート、大学でもリモートで講演会をしました。どうにも味気ない。リモートでは人間は育ちません。例えば、大学に通う目的はもちろん勉強ですが、生涯の友人を作ることにも意味があります。集まって食事に行き、食べて会話をしながら考える。食を通して文化を学ぶ。ところが今はできるだけ一人で食事をしなさいという。これは人類にとって大変な事態です。便利で合理的で経済的、それだけでいいわけがなく、人間の生活はそれ以上のものがなければ成り立たない。食べることにも楽しさや感動がなければならない。曹いずれコロナが収束したとき、食を本来の形に早く戻すことを考えなくてはいけませんね。日本人は潔癖で反省しすぎるところがあります。それは良いことなのですが、そのせいでコロナ禍が過ぎてもこの状態が継続する可能性があります。少しラテン系のマインドを持つこともいいのかなと思いますね。安藤経済も回さないといかん。私の事務所は梅田にあるのでスタッフには外へ出て食事をするように勧めています。ところが彼らはいつも一人で出ていく。特にコンピューターとずっと向き合っているスタッフは人とは喋りたくないみたいで…食には作るプロセス、食べるプロセスがあって、そこには会話のプロセスが本来あるはずなんです。食事は、大切なコミュニケーションの場でもあります。岩田日本の食はどうあるべきかをずっと考えてきました。野菜を大事にして健康に寄与する、日本の食材を上手に使いながら、日本人の健康と安全を育てたい。働く人たちにも健康で食について考えてもらいたいと従業員食堂は充28

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