ノースウッズに魅せられてせられてせられて写真家写真家 大竹英洋英洋英洋写真家大竹英洋(神戸市在住)北米の湖水地方「ノースウッズ」をフィールドに、人と自然とのつながりを撮影。主な写真絵本に『ノースウッズの森で』(福音館書店)。『そして、ぼくは旅に出た。』(あすなろ書房)で梅棹忠夫山と探検文学賞受賞。2020年11月、撮影20年の集大成となる写真展『ノースウッズ 生命を与える大地』を東京のフジフイルムスクエアにて開催予定。カナダ・マニトバ州北部、北緯55度に位置する町トンプソ度に位置する町トンプソ度に位置する町トンプソンの郊外。森の中に、かつて鉄道の線路が敷かれていたとンの郊外。森の中に、かつて鉄道の線路が敷かれていたという林道が伸びていた。動物との出会いはないかとその道を辿ってみた帰りのことだ。だいぶ暗くなってきた頃、前方で何かがぴょんと跳ねて道を横切るのが見えた。今のは何だろうと静かに近づいてみると、灌木の茂みの隙間からこっちをじっと見つめる瞳と目があった。なんとそこにいたのは一匹のリンクス(=カナダオオヤマネコ)だったのだ。これまでにも出会ったことはある。が、人前に姿を現すことは非常に稀だ。サイズは日本でよくみるイエネコよりもひと回り大きく、体重も2~3倍あるが、獲物は主にカンジキウサギやライチョウなどの小動物である。驚いたことに、こちらの存在に気がついているはずなのに、走って逃げようともしない。その場で微動だにせず、飾りのような毛が先端についた耳をそばだて、こちらの様子を注意深く伺っている。これがオオカミやシカであれば、こんなふうに立ち止まらず一目散に森の奥へと走り去っていくことだろう。野生のネコに備わるどのような知性がその行動をとらせているのか不思議でならない。何分見つめあっただろうか。こちらへの興味がなくなったのか、リンクスはゆっくりと歩き去った。人間が側にいてもこれほど静かにじっとしているということを初めて知った。これでは例え近くにいたとしても、その存在に気付くことは難しいだろう。きっとこれまでにも、近くの茂みから、こちらの様子を伺っていたことがあったに違いない。野生のまなざしVol.Vol.Vol.16161614
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