KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2020年6月号
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て、手洗い・うがい・マスク着用を自発的に励行し、国や自治体に求められれば、強い抵抗もなく外出自粛に努めました。それらが感染拡大の抑制に功を奏する結果となりました。元来日本人は、自然と共に生きることで細やかな感性を育んできた民族です。家族や隣人を大切にし、命あるものに対する愛情が深い。そんな先人たちの高い民度が受け継がれ、コロナによる感染収束の一翼を担ったのだとすれば、日本人はそれを誇りに思うべきだと思います。もちろん、最前線で感染症と闘い続ける医師や看護師の皆さんの決死の覚悟と献身を忘れてはなりません。常に感染のリスクに晒されるため、家族にうつさぬよう、家に帰ることも出来ず、ただただ人々を助けたいという強い使命感を持って、日夜働き詰めの毎日を送られています。その仕事に対する誇りと責任感には、深く感銘を受けました。医療従事者のこうした献身的な努力をサポートするために、大阪府や兵庫県、神戸市が基金を設立しました。私たちも、自分たちのできる範囲で、サポートしていくことが出来ればと考えています。感染者数の拡大が沈静化しつつあると言っても、まだまだ油断は禁物です。止まっている経済活動を再開させれば、また第2弾、第3弾の感染拡大が予想されます。しかし、人々が生活していくためには、経済も重要な要素です。コロナウイルスとは、まだまだ長く地道な戦いが続いていくと思います。それでも、今回改めて認識した日本人の持つ忍耐力と協調心、そして医療従事者の方々に見た誇りと責任感、それらをもってすれば、必ず乗り越えることが出来ると信じています。19

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