人間誰しも、景気が良い方がいい。だから、景気が減速すると不平不満が顔に出て、なにかと不況感をにじませる。かなり前だが、英国の外相（たしかストローという名前だった）が来日した折、どこへ視察に行っても「不景気だ、不況だ」と言い募られた。それで、離日に際して、「こんな不景気なら、わが国も一度なってみたい…」とコメントされた。いかにも英国紳士らしいウイットに富むもので、その場面をテレビで一瞬見ただけだけれど、忘れられない。その昔、バブル経済というのがあった。異様に金回りがよく、そうした活況のなか、若手起業家の某は「人の心もカネで買えますよ」と豪語した。これもなかなかインパクトがあり、印象に残る。どういうわけか、経済状況がよく興福寺寺務老院 多川 俊映 今こそ心を鍛えよう特集新型コロナウイルス禍で思うこと16
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