KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2020年4月号
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Q. ハマっているグルメや気になるお店はありますか。A.ブータン料理は唐辛子を多く使いますが、ブータン産の唐辛子は香辛料というより野菜であり、辛さよりも旨味のために加えます。唐辛子が主役のメニューとしては、「エマダツィ」という唐辛子とチーズをさっと煮込んだものがあります。私が家でよく作るのは「ケワダツィ」。ジャガイモと唐辛子のチーズ煮こみです。唐辛子の効いたおかずと主食のご飯をバクバク(笑)食べるのがブータンスタイルなんですよ。三好さんからの質問コーナーによって、初めて真のホスピタリティというものが見えてくるような気がします。そうした思いを周りのスタッフにも伝えたいのですが、私の場合、幼少期の海外生活のせいか、オブラートに包んで話すことがあまり得意でなく、ストレートな物言いをしてしまうことがあり、時として摩擦を生んでしまうこともあるのです・・・(笑)。…これからも世界に向けて、おもてなしの真髄を発信していってくださいね。(ホテル竹園芦屋にて)われ、5,000人もの人が弔問に訪れたとか。大勢の方から父への感謝の言葉を頂戴し、改めて父のすごさを実感しました。母も日本に住みながらブータンをよく知る日本人として、神戸ポートアイランド博覧会のブータン王国館代表や、神戸貿易促進センターでブータン王国展を手掛けるなど、いろいろな形でブータンを紹介する機会を得てきました。一方私は日本の暮らしに馴染むとともに英語が話せなくなるのが嫌で、30歳の時にイギリスの料理学校に留学しました。料理や西洋文化を学ぶなか、異国の人に対するホスピタリティについて改めて考えるようになりました。例えば、英語は世界共通語ですが、日本人は〝th〟の発音が苦手とか、スペイン人は〝r〟の発音が強調されるとか、同じ英語でも英語の使い方や話し方には特徴があり、各国で異なります。異なるからダメと言って排除するのではなく、異なっても意思が疎通できるのであれば問題はなく、それも英語であると互いに認めることが大切だと思います。また、それは相手の歴史や文化を尊重し、人間は同じ人間、と認めることです。そうした考えに基づいて、ブータンと日本、世界各国の人たちと日本の人たちをつなげる活動にこれからも携わっていきたいと考えています。…葉子さんはグローバルな感覚をもったホスピタリティの達人です。「ターブルドール」のサービススタッフとして働いてもらっていたときも、「何のために料理を出しているのか」など、よく話し合っていましたね。料理人はただ料理を出すことが目的ではないし、逆もしかりで、お客様も料理を単に食べられたらいいというものではありません。宴は食事を共にして、何かを分かち合う場だと思うのです。例えば、結婚式であれば、皆でおいしい食事を共にしながら喜びを分かち合うでしょう。いかに美味しく召し上がっていただくか、そのために何が出来るのか。おもてなしにおいても、お迎えする方が何を望んでいらっしゃるのかを常に知ろうとすること43

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