KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2020年4月号
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題への高まりから、米国製の船舶用SOxスクラバー(硫黄化酸化物を除去する排ガスシステム)の日本代理店業も新事業としてスタートさせています。︱普段は主にどのような仕事をされていますか。私は管理部門で、専務としての社長補佐や、総務・経理・人事、営業以外のことは何でもやります。部のメンバーはほぼ女性で、男性は最近入社した一人だけなんです。皆がすごくしっかりしているので支えられて仕事ができています。︱入社のきっかけは。神戸ロータリークラブの事務局にいたことが縁で、退職後に社長にお声がけいただきました。入社当時は一般職採用で、秘書兼総務の事務職としてスタートしました。︱8年前に取締役、4年前に専務に抜擢されたとのことですが、その時はどう思われましたか。その時は「向いてない」と何度もお断りしました。私自身、働くことは好きですが、前に出てリーダーをしたり、商社の最前線である営業部をさしおいて、管理部の私が前に出るのはどうかと悩みました。︱どのように決断されたのですか。会社全体のバランスを見たときにそれが一番いいという意図が社長にもあったのでしょうか、ひいていただけませんでした(笑)。でも最終的には、「やりなさい」と人に言われるのは、自分にも何かお役に立てることがあるからだと決意しました。役職というのは社内の役割のひとつにすぎなくて、なったから偉いとかじゃないと思うんです。なにかタイミングのようなもので、「ご縁」なのかなと。それに元来、能天気なところがあるのでなんとかなるかなと思いました(笑)。︱仕事で大切にされていることは何ですか。自分の成功体験からの思い込みにとらわれず、フラットに物事を考えることですね。例えば新しい若い人たちから、自分の想定外の斬新な意見が出た場合でも「それは難しい」とすぐに判断してしまわず、もしかしたらそこに光るものがあるのではと考えるようにしています。今の若い人たちと私たちの年代とでは働き方や仕事に対する考え方も全然違うので、相手の話をよく聞くことも心掛けています。︱そういうお考えは年を重ねたからできるというものではないと思います。社長には「僕には厳しい」っていつも言われるんですけど、みんなには優しく(笑)。でも私の一番大事な役割は、社長に社内の空気はこうですよと実情を伝えることだと思っています。というかむしろ、自分ができることはそれしかないと思っています。︱信頼関係ですね。言いたいことを言わせてくれている社長の器が大きいのだと思います。33

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