KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2020年3月号
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…最高の瞬間を切り取って撮影される梶さん。本日は私が(笑)、梶さんの人生について少し切り取ってご紹介させてもらえればと思います。まずはカメラとの出会いから教えてもらえますか。学生のとき、親戚のお兄さんから貰ったカメラで撮影をするうちにその楽しさにハマっていきました。ただ父も堅い仕事に就いていましたし、先行きが見えないフリーカメラマンになるという選択肢はない!(笑)と、大学卒業後は企業に入社。初ボーナスでカメラを買ったり、カルチャースクールのカメラ教室に通ったり、フォトジャーナリストの吉田ルイ子さんが好きで、彼女の異国を写したフォトエッセイを買っては〝素敵だなぁ〟と憧れを募らせていました。その後、退職し、貯めたお金で1年間、サンフランシスコとLAへ留学、現地の学校で写真を本格的に習いました。…それがフォトグラファーになられるスタートですか?いえ、まだです(笑)。LAから帰国した時はバブルの真っ只中で、カメラの仕事よりも「海外の色々な場所に行ってみたい」という想いの方が強かった。それで西宮のアンティークショップに勤め、数百万円のお金をもって商品を海外に買い付けにいくバイヤーのお仕事に携わっていました。ところがそのショップが閉店してしまうことになり、これからどうするのか?と真剣に考えて、やはりカメラマンの仕事に就きたいという結論にたどり着くんです。お店のオーナーさんから紹介いただき、3社のスタジオでアシスタントを経験したのち、独立しました。プロとして必要な機材や設備も持っていなかったため、当時一人暮らしをしていた彼氏の家の一室を暗室として使わせてもらうことにしました。私が現像している間は決して扉を開けてはいけないというルールを勝手に作って(笑)。その彼氏というのが主人です。大学の卒業旅行で行ったバリ島で出シルバーやブラックなど、シックなカラーの装いが多い梶さん。「でも内にはラテンなエネルギーも秘めていて、シックな太陽というイメージ(笑)」と三好先生33

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