KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2020年2月号
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た。運転席から遠くの方、ボンネットの先端にオーナメントがあるわけですよ。動く応接室、乗り心地は船、燃費は気にしてはいけない?渋滞の交差点を走ったときに、紳士的な運転でも周りの車がモーゼの海割りみたいにサーッと避けていきましてね(笑)、これはフルサイズのキャデラックの威力ですね。服部 いかつかったからね(笑)。ぼくの最初は国産ですけど、トヨタの2000GTコロナでした。自分でいじってサーキットを走ったりしていましたが、おもしろかったですね。湊 結局、70年~80年代の車っていうのは、メーカーのコンセプトやアイデンティティがとがって出ていて、ああこれはベンツ、これはアルファロメオ、とかって乗ったらすぐにわかるんですよ、さすがだなって笑顔になる。メーカーのカラーがよく出ていましたから。服部 個性がありましたよね。湊 壊れるとか走行性能がどうこういうより、座ったときから匂いが違うっていうか。服部 ドア閉めたときとかね。ドイツ車はいい音するんですよねえ。イタリア車は雨漏りしそうな音がするんだけど。湊 で、実際雨漏りするんですね、高級セダンでも(笑)。アルファロメオのスパイダーでも雨漏りして、足を置くフロアのところに水がたまったりした。で、お客さんから「これ金魚飼えそうなんやけど」って電話がきて、「金魚ですか、それはヤバいですね、湿るぐらいならかまわないんですが」とかって(笑)、それで持って帰ってきて調整するけど完全に直すのは無理。イタリアにもクレーム出すんですけど、返ってきた返事が「雨の日には乗るな」ですから(笑)、さすがイタリア。服部 湊さんはイタ車好きですからね。ぼくは漫画の『サーキットの狼』で車を覚えたので、ポルシェに憧れて、初めて東名でポルシェターボ見たときは感動しましたよ。ポルシェなんて世間にまだ走っていなかった頃でしたから。壊れるのが可愛いイタ車?―今後、こんな車に乗りたいっていう夢は?権藤 新しい車っていうより、レストアしたW124など、昔のモデルのメルセデスの出物があったら乗りたいですね。まだ電子制御が入っていない時代のものや、足周りをポルシェとタイアップしたものなどもあるのですが、20~30年前のモデルは市場に出るとやはり人気です。服部 ベンツらしいベンツでしたね。権藤 車はお金をかければかけるほど良いものができるのだ、というコンセプトで作られていた時代です。好きで乗られている方は多いですよ。乗った時のフィーリングがとても良いんです。服部 上質でね。ザ・ベンツといった感じでした。権藤 「最後のメルセデス」といわれているぐらいですから、人気がありますし、やはり良い車です。湊 ぼくは、やはりフェラーリです。ディーノとか、308、328、スモールフェラーリと呼ばれるV8モデル。仕事柄いろいろ乗りましたけど、五感で声を聴き操る感覚、そしてコントロール性の高さですね。服部 湊さんはご自分でメンテ43

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