KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2020年2月号
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連載 カワムラの"神戸ビーフ"への思いビフテキのカワムラ 三宮本店神戸市中央区加納町4-5-13ヌーバスピリット1階TEL:078-335-0399FAX:078-335-0605躓つまづいた東京進出苦難の先の六本木セレブたちが闊歩する銀座は、名店たちが味を競う東京でも屈指のグルメの街だ。その一角に2009年、満を持して扉を開いた東京銀座店。隠れ家的なロケーションに、優雅なムードの個室を備え、兵庫県産但馬牛と神戸ビーフのみという贅沢さも相まって注目を浴びる…はずだった。しかし、ここにアウェーの洗礼が。関西では名を馳せていたカワムラの金看板も、関東ではほぼ無名。有名ブランド志向の強い東京のマーケットにおいて、知名度不足は大きなハンディキャップだったのだ。しかし、クオリティに絶大な自信を持つ創業者の川村春二は、根気強く風向きの変化を待った。すると、ホテルへのセールスを地道に行ったこともあり、コンシェルジュが顧客を紹介してくれた。そこからクチコミで評判が広まっていく。さらに関西に拠点を持つ企業の接対利用も増え、いつしか席は予約で埋まるようになっていった。ここで春二はもう一つ勝負に出る。ターゲットをよりVIPに絞り、不夜城の如く賑わう夜の街、六本木への進出を決断、独断で物件を決めた。が、残念ながらこれは勇み足、ビルの設備がカワムラの基準に至らず、あえなく話は流れた。しかし、春二は一度決めたらテコでも動かぬ男。東京進出では、娘で取締役の佳子とプランを練り直し、2017年に東京六本木店をオープン。VIP向けに個室と専用出入口を備えたことから一流芸能人などがお忍びで来店するようになり、カワムラのステイタスにますます磨きがかかっていく。さらにSNS時代に乗り、世界からも羨望を浴びる存在に。その時流に応え、インバウンドが著しく伸びている大阪への進出を決め、この3月、大阪北新地店をオープンする。 Vol. 0614

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