KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2020年1月号
47/53

どこかに生まれた誇らしげな気持が表情に現れ、お客さまにも伝わると思ったからです。―愛が伝わるのですね。モノづくりは、愛する誰かに思いを馳せること。モノが何であれ共通することだと思いますよ。―これからのパン職人に望むことは。健康な生活を支えるのがパン。だから私は若い子たちに「パン職人は偉いんだぞ」と言います。もっと誇りをもっていいと思います。でも私生活すらストイックにならなくてはいけないほど大変だからか、目指す子が減ってきているのは残念ですね。―ご自身の楽しみと、これからの夢は。楽しいのは仕事をしているとき。先日も「パン屋さんに入ったら、豚まんの蒸し器から昔から必ず私が作ります。食べることの大切さを教えるのが私の役目、これだけが私の経営理念です。―いい会社ですね!「コム・シノワってどんな会社?」と聞かれ、「まかないが美味しい会社!」と答えた子がいるとか(笑)。美味しいものを食べると仕事に対するモチベーションや姿勢が変わってきて、笑顔が生まれます。適当に作ったものを食べていると、気持ちがささくれてきます。料理人ですからどんな食材を使っても美味しいものを作れます。忙し過ぎて手を抜くこともありますが守るべきところは守っています。私のさじ加減や考え方、美味しさの本質は伝わって共有できていると思っています。そして、美味しさや心の豊かさはお客さまとも共有できなくてはいけません。ですから、レストラン時代はサービススタッフにもパンを焼いてもらいました。自分が焼いたパンをお出しすると、心のコム・シノワ(三宮ビル南館地下)神戸市中央区御幸通7-1-16三宮ビル南館地下TEL078-242-1506営業時間8:00~19:00水曜定休日湯気が上がっているって素敵だな」などと考えて(笑)。そんな楽しいことを許してくれる雰囲気が神戸にはあるのかなあ。夢は、「カラダに届け!」と作った料理を、「よーく噛んで食べると美味しくなるんだよ」などと言いながら出す。すると、「何でもいい」などと言っていた子どもが「これが食べたかったんだ!」と喜んでくれる。そんな「食堂」を開くことです。―ぜひ夢を叶えてください。私たちも楽しみにしています。49

元のページ  ../index.html#47

このブックを見る