KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2020年1月号
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のためには日常的空間だけでなく、非日常的空間が必要です。それは祝祭性を創り出すこと。不可欠なものが芸術・文化、これらが盛んなまちには才能がある人たち、クリエイティブな人たちが集まってきます。これは歴史が証明しています。―神戸文化ホールが三宮へ移転、リニューアルしますね。決して行政だけで取り組むことではありませんがインフラを造ることは必要です。神戸文化ホールは老朽化が進んでいますので、三宮の3カ所に移転という大きな計画を立てています。しかし、三宮に集めようとしているわけではなく、例えば昨年の「アート・プロジェクト KOBE2019:TRANS-」は市街地の少し西側、神戸の歴史発祥の地といえる兵庫区と長田区南部界隈で実施し盛り上がりました。北区や西区の里山文化も貴重なものですから、今後は焦点を当てていきたいと考えています。神戸の多様性をまちの資産の一つと捉え、芸術・文化の振興につなげていくという発想が求められています。大切なのは知識ではない伝わるものを感じ取ること―神戸市立博物館のリニューアルで大きく変わったことは。1階には神戸の歴史を知るコーナーを新設し無料開放しました。主な収蔵品としては聖フランシスコ・ザビエル像、桜ケ丘の銅鐸・銅戈などがあり、これらが見やすいコレクション展示室を2階に新設しました。収蔵品を集めた名品展をオープン記念として催し、多くの方々に来ていただきました。大きな特徴としては、2階展示室入館料、特別展・企画展も含めて高校生以下は無料、大学生は半額としたことです。若い世代の皆さんに、ぜひ見ていただきたいですね。―若いときから芸術や文化に触れることの意味は。一枚の絵画がどういう名称で、何派に属し、どういう背景で描かれたかなどという知識はそれほど大事なことではないと、私は思っています。頭で理解して知識として身に付けるのではなく、大切なのは伝わってくるものを自分なりの感じ方で受け止めること、感性を育むことです。成長するにつれて、一枚の絵画の印象は変わっていき、触れ合い方は進化していくはず。これは芸術や文化全般にいえることではないでしょうか。―今後、神戸では環境が整ってきますね。文化ホールをはじめ、ハードは整備されますが、まだまだ不十分だと考えています。さまざまな公演を開催し、市民の皆さんが芸術に触れる機会を増やしていく取り組みが今後は大切。それには、民間の皆さんと一緒に進めていく姿勢、海外へも発信していく努力が必要です。―神戸国際フルートコンクールは海外からも評価が高いですね。このコンクールの優勝者・受賞者が海外でも幅広く活躍し、高い評価を頂き嬉しく思っています。神戸市が主催していた当時はあまり知られていない状況で43

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