KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2019年12月号
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神々に捧げる古典フラを踊る時には、古代ハワイから受け継がれてきた伝統的な形式に従って踊る必要があります。拝殿で拝礼を終えたのち、ハワイ語でオリを詠みあげ、歌(チャント)と打楽器のリズムに合わせて踊ります。オリは日本語では詠唱と言われていて、日本の祝詞のようなもの。降りてきていただいた神々のスピリットと一体になって舞い、最後にホイという歌をうたって神々に帰っていただきます。どの踊りにも物語があり、すべての動きに意味がありますので、神社ではお慶びや災いを静めるなど、祈りにあわせた歌と踊りを奉納します。…神道の祭祀で神に唱える祝詞など、古典フラと神道には深い共通性があるんですね。日本とハワイの文化は違うとはいえ、カヒコを神社で踊るのは神への奉納舞ということでは同じです。だからカヒコは誰でもすぐ踊れるわけではなく、ハワイアンのものの考え方や文化を学び、理解することが必要です。奉納約1ヶ月前から生徒たちと準備を始めるのですが、まずは魂が良いレベルで保たれるためのルールを決めます。お酒やお肉を断つなどといった、願かけのようなものですね。断つということで自分の魂をクリアにする作業とカラダを清める作業を行い、神域に入ることと向き合っていくんです。奉納当日は禊をするため、海へお清めに行くなどの作業をしてから踊るんですよ。…フラはとても宗教的で神聖な踊りなんですね。神社仏閣でのフラの奉納活動はいつぐらいから始められているのですか。2012年からです。伊勢神宮 内宮、出雲大神宮、伊弉諾神宮、住吉大社、松尾大社、高千穂神社、金比羅宮、上賀茂神社、下鴨神社、伏見稲荷大社などでも奉納させて頂きました。…格式の高い神社ばかりですね。2000年前後の歴史がある神社の拝殿や祈祷殿でフラ対談ホスト役の三好万記子さん(写真右)とマリコ・レイイリマラニさん(写真左)。マリコさんのお父様は三好先生の料理教室に通う生徒さん。料理も歌もお上手なお父様をよく知る三好先生は「さすが親子!」と父娘のたぐいまれな才能を絶賛。38

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