KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2019年12月号
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生きているときには、その創作活動や作品が、世間にまったく受け入れられず、亡くなった後に、作品の評価が高まり、世界中で、その名を知らない人がいないほど有名になったという芸術家は少なくない。37歳の若さで亡くなったオランダの画家、フィンセント・ファン・ゴッホ(1853~1890年)は、その代表的な一人といえるだろう。現在、公開中の映画「永遠の門 ゴッホの見た未来」は、無名だった孤高の画家が、どのように絵画と向かい合いながら生き、そして死んでいったかを、彼の視点から、美しい映像で克明に辿っていく。米国の名優、ウィレム・デフォーがゴッホ役を熱演。“狂気の世界”の中で創作に没頭するゴッホが乗り移ったかのような鬼気迫る演技は圧巻で、昨年のベネチア国際映画祭で最優秀男優賞に輝いた。監督は、画家でもあり、「潜水服は蝶の夢を見る」(07年)で、カンヌ国際映画祭監督賞を受賞した名匠、ジュリアン・シュナーベル。画家としての27

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